産土神様との出会い

皆さんの産土神様との出会いは、どんなものでしたか?

私は産土神様と出会った時に、とても不思議な体験をしました。

 

数年前、入院した祖母のお見舞いに実家近くの病院に行きました。

当時の祖母はとても高齢だったため、正直、無事に退院してくれるかとても不安でした。

お見舞いを終えて病院を出た時に、唐突に

「病気平癒の祈願に、神社へ行こう!」

という考えが浮かんできました。

そして、その考えの赴くままに、とある神社へと車を走らせていました。

そこは、帰り道とは反対方向にある神社。

でも、何故か「そこしかない!」という思いにかられました。

これが、いわゆる「神社に呼ばれた」という現象なのでしょうか?

とにかく、病院の近くにある神社には目もくれずに、その神社への道を急ぎました。

 

私が向かった神社というのは、私が生まれ育った場所の1番近くにある神峰神社。

でも、四十数年間、一度も訪れたことはありませんでした。

 

神社に着いて鳥居をくぐり、拝殿の前に立った時

 

「あぁ、ようやく、お会いできた」

 

という言葉が、頭上からサァ〜っと降りてきました。

懐かしくもあり、愛おしくもあり、えも言われぬ安らぎも感じ、思わず涙が出そうになりました。

「あぁ、やはりここが、この大神様が、私の産土神様なのだ」

そう、実感しました。

 

まず、長い間お参りに伺わなかったことのお詫びを述べ、祖母の病気平癒を祈願しました。

 

「きっと、大丈夫」

 

そんなお声が、聞こえたような気がしました。

 

神峰神社の大神様のご神威のおかげをもちまして、祖母はその後程なくして退院。

孫たちになかなか会えないと嘆く祖母に、孫全員の今の姿の写真をかき集めてプレゼントし、すでに耳が遠くなって、こちらの声が聞こえない状態でも、かくしゃくとした声で「ありがとう」と言ってくれるまでに回復しました。

そして、その数年後、101歳の天寿をまっとうして、安らかに天へと旅立ちました。

 

祖母の病気平癒の祈願をしてからというもの、毎年のように、私は神峰神社でご祈祷をし」させていただいております。

時には、月次祭にも参加します。

高速道路を使って2時間近い道のりを行くのは、やはりそこが産土神社だからでもあり、大神様の優しさと愛を感じられるからなのだと思います。

拝殿で手を合わせる時はいつも、優しく、あたたかな光のようなものを感じます。

他の神社でも、そのような感覚を体験することはありますが、神峰神社の大神様から感じるそれは、あまりにも大きく、とてもあたたかくて、いつまでもここにいたいと思ってしまいます。

ところで、神峰神社には奥の院がありまして、そこは山道を歩いてゆかねばならないとか。

車移動に慣れきって弱った足腰を鍛え直して、いつの日か、奥の院にも行ってみたいものです。