大甕神社でいただいた甕星守り──調和と導きを授かった一日

先日、1日限定で頒布される「甕星守り」をいただくため、
大甕神社へ参拝してまいりました。
その日は朝からどこか呼ばれているような静かな気配があり、
向かう道の途中でふと胸の奥がすっと澄んでいくようでした。
大甕神社の持つ“祓い”の力を、足を踏み入れる前から感じていたのかもしれません。
宮司さんがそっと教えてくれた“ハート形の石”
参拝を終え、境内を歩いていると、宮司さんが
「このあたりにハート形の石があるのですよ」と
やさしい声で教えてくださいました。
言われた場所をそっと覗き込んでみると──

確かな存在感を持つハートの石が静かにそこにありました。
その瞬間、胸がふわりとあたたかくなりました。
まるで神様が
「ここにあるよ。気づけるあなたを見ていますよ」
と微笑んでくださっているようで、
偶然ではなく“導かれて出会った”と感じられた時間でした。
「死は悲しみの極みである」から始まる、深い慰めの言葉
境内の一角で、ふと目に入った文章がありました。

「死は悲しみの極みである。
然し、神葬式により浄化・吉化することで、故人を神界に送る。」
その続きには、
さらに心を揺さぶる言葉が記されていました。
「先祖の神々の列に入られ、一柱の祖先神となり、
子孫はもとより、生前に誼を交わした人達を守護するありがたいものとなる。」
死を“失うこと”としてだけで語らず、
「神の列に加わり、守護する存在になる」
という視点が、あまりにも美しく、あまりにも優しい。
悲しみに沈むとき、
人は未来までも暗く見えがちです。
しかしこの言葉は、まるで光を落とすように
“死の先にも、愛は続いていく”
そんな深い安心を教えてくれました。
大甕神社が持つ慰めの力が、
静かに心に染み込んでいくようでした。
「甕星守り」の由来──荒ぶる星の神と、調和をもたらす倭文の神
今回いただいた「甕星守り」は、
大甕神社だけに伝わる、とても特別なお守りです。

大甕神社の説明にはこうあります。
「甕星香々背男の荒魂を封じた宿魂石を内符にした御守です。
夜の世界を支配する強い御力で悪運を祓い、開運を導きます。」
甕星香々背男(みかぼしかがせお)は、
夜の星々を司る強大な力を持つ神。
その荒ぶる力ゆえに、天照大神の命により
倭文の神・武葉槌命(たけはづちのみこと)が
討伐へと遣わされたと伝わっています。
ただ、この物語にはもうひとつの美しい説があります。
甕星香々背男は、武葉槌命との“和合”によって鎮まった。
力と力がぶつかり合うのではなく、
異なる性質を持つ二柱が互いを認め合い、
融け合うようにして調和が生まれたという伝承です。
そして今──
甕星香々背男の荒魂が封じられた宿魂石の頂上には、
武葉槌命をお祀りする本殿があります。

まるで、
「ずっとそばで見守り続ける」
「永遠に一緒に在る」
そんな静かな約束のように。
封じるというより、
荒ぶる力を調え、共に在ることで世界を整えていく
そんな深い愛と調和の物語が、甕星守りには息づいています。
だからこそ、このお守りは
・運命の転換期
・心が乱れやすい時
・不安や迷いが重なる時
・強いエネルギーを整えたい時
に、夜空の星のような導きを授けてくれるのでしょう。
紅葉が祝福するように灯った光
境内の紅葉はちょうど美しく色づき、
風に揺れる光が地面に映り込む様子は
どこか神域そのもののようでした。


自然のなかで深く息を吸い込むたびに、
心が静かに整っていき、
参拝を終えるころには胸の奥に柔らかな光が宿ったようでした。
おわりに──導かれたような一日
宮司さんに教えていただいたハート形の石、
心を深く包み込んでくれた神葬式の言葉、
そして調和の物語を宿した甕星守り。
どれも偶然ではなく、
今の私に必要な“導き”として差し出されたのだと感じています。
神様はいつも静かで、優しく、
しかし確かに私たちを照らし続けてくださっている──
そのことを深く思い出させてくれた参拝でした。


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